私は市からある役職を委嘱されております。その関係で先日ある講演会に出席致しました。タイトルは「新・観光立国論」。講演者は(株)小西美術工藝社の社長、デービッド・アトキンソン氏です。
初めこのタイトルと講演者はマッチングしているのかな?と思っておりました。当日は通訳付きでの講演なんだろうか?と思ったのですが、登場したアトキンソン氏は流暢な日本語、いやむしろ日本人よりもきちんとした日本語を、当然ですが論理的に展開できる方でした。
江戸時代から続く日本の文化財に深くかかわる仕事をしている同社社長が、なぜイギリス人なのか?話を聞いて納得いたしました。それくらいインパクトのある話でした。著作もある氏ですので、詳細は割愛しますが、世界的観光大国になれるポテンシャルを日本はもっているにも関わらず、そうなっていないのはなぜか?我々日本人が普段あたりまえと感じていること・ものが、どれくらい世界的に見ると価値のあることなのか?、また具体的にどれくらい観光産業としてのポテンシャルを持っているのか?(なんと氏の試算だと、50兆円以上だそうです。)そんなことを聞いているうちに、どんどん話に聞き入ってしまった次第です。
ちなみに氏が述べる、観光大国の4条件とは次の4つだそうです。
1.自然 2.気候 3.文化 4.食
この4つが多種多様、多岐にわたって様々に織りなしているのが良いようですね。
日本は沖縄から北海道まであって、自然は多様性があります。気候は四季があって、もちろん同じ冬でも北と南では随分異なる。文化はいわずもがな、食も独特。ついでに氏がいうのは、日本の政府が言ってる、クールジャパンとかいうやつ。これはまあどうかな?とのこと。アニメや秋葉原の文化が日本を代表するものではないですと。確かに自然・気候・文化・食で考えると、ちょっとピントがずれてます。もっと正攻法で攻めるべきなんでしょうね。そうすることが結果的に、良質な旅行者を招くことになるんじゃないでしょうか?特に買物に来てもらうだけっていうのは、ちょっと深さがなさすぎる。
氏はホテルについても言及してました。わかりやすくいうと、日本のホテルは、いわゆる旅行者が宿泊できる施設になっていないと。世界の標準的ホテルの1泊の料金は22000円程だそうです。日本では1万1千円。この差が、ホテルの差になっていると氏は言ってます。
翻って我が伊勢崎市。可能性はあるんじゃないかな?
氏が言っていた条件。これらの切り口から攻めていけば、可能性はあるのでは?よく伊勢崎市は何も無いし、観光は無いというのを聞きますが、そうなのかな?世界遺産もある街なんですけどね。見せ方、PRの仕方、そして儲かる仕掛け仕組みが出来てないし、作ろうとしてないから、何も無いってことなんじゃないのかな。世界遺産がお荷物になっちゃってたりして。これからの日本の進む道の一つだと思います。観光大国って。
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