かたづけダンベぇ・スタッフによるブログです。
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読書の秋。っていうわけではありませんが、この本について書きます。
すきとおる草ムジナモ。著者は地元群馬の作家。橋本由子さん。
この本は、いわば児童書という分野なのだと思います。ですので初めて読んだのも小学校の頃。小学校の図書室で初めて出会い、その後町の図書館でも借りたりして何度も何度も読み返したものでした。
内容は、戦前戦後の群馬南部、ある水豊かな街を舞台に食虫植物ムジナモに魅せられた主人公が、戦後の経済復興の代償として問題になった自然破壊で壊滅してしまったムジナモを懸命に探し出し、そのムジナモを守るため孤軍奮闘。やがて不可能と思われていたムジナモの培養に成功し、天然記念物にも指定されたムジナモを守り抜く姿を描いたものです。その過程で描かれるのは、戦前の群馬南部(おそらく館林・板倉近辺)の自然豊かな様子や、親友との友情、そして裏切り、別れ。戦争時代のエピソードも交えて綴られています。そしてムジナモを守る為に無謀とも思える行動力を見せる主人公を支える両親。応援する中学時代からの恩師。やがて現れる地域の理解者・応援団。子供の頃、初めて読んで感動し、何度も何度も繰り返し読み返した本。それがこの「すきとおる草ムジナモ」でした。
成人し、すっかりこの本のことを忘れてしまっていた私ですが、あるときふと思い出し、読みたいと思って探しましたがすでに絶版。図書館でも貸出は禁止。伊勢崎市の図書館ですと、特別な書庫にあるようで読みたいと申し出れば出してきてくれる。そんなコーナーにあり、もう20年も前かと思いますが、図書館の一角で一気に読んだ記憶があります。
以来ずっとこの本を探していましたが、先日ふとしたことで手に入れることができてしまいました。黄ばみはありますが、おそらくほぼ読まれない状態で、どこかに保管されていたのでしょう。読者カードも付いていて、ハードカバーも折れも無く付いていました。2冊あったので、思わず2冊とも購入してしまいました。購入してから1度読んだのですが、10年以上探し続けていた本で大きな期待があったからでしょうか、正直大きな感動はありませんでした。ですが、今だからこそ感じる感慨もあり、また繰り返し読み返してみようと思っています。私が生涯手元に置いておきたいと思う1冊です。
ご興味お有りの方がいましたら、レンタル致しますよ。丁寧にお読み頂けることをお約束頂ければ。
それにしても、この利根川水系に、そんな天然記念物になるような水生食虫植物がいたのですね。私が小学三年生の頃。埼玉県から初めてこの地へ引越してきたときに見た利根川の風景。水が透きとおって魚が手づかみできる利根川支流、牛が草をはむ土手、土手下の特徴的な養蚕農家、一面緑の桑畑。そんなものを思い出していました。あのころの風景はもうこの地にはありませんが、あの頃の風景を見て育った私は、幸運だったと思います。